人工うなぎ諸語

スワデシュ・リストで翻訳する物語:黒い鳥と犬たちの話

これはなに?

簡単な文法が分かっていて、スワデシュ・リストの語が訳せればどんな言語でも翻訳できるように物語を書きました。

「作り始めの人工言語でなんとかスワデシュ・リストの語彙を造語したけど翻訳する物語が無い・・・」というときなどに使えるかもしれません。使い道が思いついたらご自由にお使いください。

つじつまが合うように頑張ったけど内容はよく分かりません。どなたかもっとハッピーな話を書いてください。

物語(本文)

黒い鳥と犬たちの話

遠くの山に大きい男と小さい男が暮らしていました。大きい男は3匹の犬を飼っていました。小さい男は黒い鳥を飼っていました。彼らは森で生き物たちを狩って、他の人々に生き物の肉や皮を与えていました。寒い日のこと、他の人が大きい男に言いました。「小さい男は悪い人だ。お前の妻を殺してしまった。」
大きい男は思いました。「私が彼を殺してしまおう。」

その日の夜、彼は小さい男と湖に来ました。彼は言いました。「私はお前は悪い人だと聞いた。私がお前を殺してしまおう。」
小さい男は言いました。「私は悪くない。誰がそんなことをお前に言ったのか。」
大きい男は言いました。「私はお前が怖い。私がお前を殺してしまおう。」
彼らは戦い、大きい男が小さい男を押し、小さい男は湖に落ちてしまいました。小さい男は言いました。「お前も悪い人だ。私もお前を殺してしまおう。」
彼は大きい男を引っ張り、湖に落としてしまいました。彼らは湖の中で死んでしまいました。黒い鳥が二人を見ていました。彼は彼らが戦って死んでしまったことを知りました。彼は男の犬たちのところへ飛びました。

山に着くと、3匹の犬が見えました。彼は犬たちに言いました。「男たちが戦って死んでしまった。」
犬は言いました。「私たちを飼っていた男は良い人だ。お前は間違っている。悪いのはお前を飼っていた男だ。」
そして、犬たちは鳥の翼に噛みつきました。鳥は彼らを怖がり、空に飛んでいきました。

鳥は言いました。「彼らは私を殺してしまうだろう。私はどうやって彼らと戦おうか。」
そうして木の上で眠りました。

昼、鳥が空を飛んでいると、犬たちが道を歩いているのが見えました。
犬は鳥を見て言いました。「こっちにこい!お前の頭を噛んでやろう。」
鳥は言いました。「いや、山で生き物を食べよう。土のなかで小さな生き物がたくさん眠っている。」
鳥と犬たちは山へ歩いていきました。

山に着くと鳥は言いました。「この土を掘れ。」
犬は土を掘りました。すると、鳥は大きな石を押し、一匹の犬が石に当たって死んでしまいました。他の犬たちは言いました。「お前は悪い鳥だ!こっちへ来い!お前の尾を噛んでやろう。」
「いや、川に行こう。お前たちの足が土で汚れている。」

川に着くと、犬は水で足を洗いました。鳥は言いました。「お前の腹も汚れている。」
犬は水で腹を洗いました。鳥は言いました。「お前の背中も汚れている。」
犬たちは言いました。「背中を洗ったら私は流されてしまう。」
鳥は言いました。「お前の足を縄で木の枝に結んで、流されないようにしてやろう。」
一匹の犬の足を結ぶと、犬は川で背中を洗いました。すると鳥は枝を折って、犬は流されていってしまいました。他の犬は言いました。「お前は悪い鳥だ!こっちにこい!お前の足を噛んでやろう。」
鳥は言いました。「いや、お前の脚が濡れている。木が燃えていて暖かいからあそこへ行こう。」
犬と鳥は木へ歩いていきました。

鳥は言いました。「お前の脚が乾いていない。燃えている木の近くで歌って遊ぼう。」
鳥と犬は木のまわりを回って歌って遊びました。犬は言いました。「私の脚はもう乾いている。私はここで眠ろう。」
犬が眠ると、鳥は燃えている木を押し倒しました。犬は燃えて死んでしまいました。鳥も足が燃え、尾が燃え、翼が燃えて死んでしまいました。そうして生き物は全員死んでしまいました。

蛇足(補足など)

この話は、筆者が新しく言語を創作しはじめ、文法を決め、スワデシュ・リストを埋め、さあなにか物語でも翻訳しようかと思ったけどこの語彙だけでは訳せそうなものが無く、「もう造語するの飽きた!!」と思って書いた物語です。

統語論もある程度できあがっていることを想定していますが、複雑な文は単文に分ければどうとでもなるはず。

ご自身の人工言語の使い心地(?)を試したい、という方はご自由に再利用してください。

内容は、なんとかつじつまの合う文を組み合わせただけなのでよく分かりません。けどなんかこういうの民話とかにありそうじゃないですか?知らないけど……

内容が物騒なのは、限られた語彙の中で良い感じにオチをつけるのが難しかったからです。話の展開を作れそうな動詞が致命的な他動詞ばかりだったのでこんなふうになってしまいました。もっと穏やかな物語が書けないか考えています。もし思いついたら皆さんで書いて共有してくださるとうれしいです。

というか、ふつうに限られた語彙で物語を作るのは結構楽しいです。みなさんもスワデシュ・リストの語彙を使って自分だけの最強の物語を作ろう!